純血を守るために(?)治療ができない、獣医さんの苦悩
今日は、ここ数日と違って、寒さがぐんと緩み、風もあまりなく、お散歩も楽でした。
イギリスでも年末は日本と同じように、特別番組が放送されます。
日曜日から3日連続で、「若き日のジェイムス・ヘリオット(Young James Heriott)」というドラマをやっていて、2日目は見逃したんだけど、昨日は後半だけ見ることができました。
ジェイムス・ヘリオットという人は、Hが言うには、イギリス人なら誰でも知っているとても有名な獣医さんなんだそうです。
で、このドラマは若いジェイムスが、獣医学生としてグラスゴー大学に入学したところから始まり、勉学にはげむ日々を描きます。
時代は1930年代、約80年前のお話です。
ドラマの出来としては、いまひとつのようだったんだけど、昨日見た中で、う〜んと考えさせられる場面がありました。
ジェイムスは、ジステンパーという恐い病気にかかっているゴードンセッターに、血清を打ちたいんだけど、飼い主がそれを許さないのです。
なんでも、その犬はとても立派な血統の犬で、雑種の犬の血から作られた血清が少しでも入ったら、純血ではなくなるからと言うのが飼い主が主張する理由。
ジェイムスは、この血清を打たないと犬は死んでしまう、このわずかな血清が入ったからといって、犬の純血にはなにも問題ない、と説得するのですが、聞き入れられません。
その家の人たちは、どうやらファシストに協力的で、外国人、例えばユダヤ人を嫌っています。
ドラマではその人種差別と犬の純粋な血統の問題をからめていて、ちょっと無理があるようにも思うのですが、でも、雑種の犬の血でできている血清を打つよりは、犬が死んでもかまわないという態度は、そのようなファシストの人にありがちだと言うのは、なんとなく納得できます。
生き物の命をなんだと思っているのか、ひどい話ですね。
さらに、もうひとつ、興味深かったのは、女性蔑視です。
級友の女の子が、ある教授にとても嫌われてしまい、もう少しで退学になりそうになりました。
女子の獣医学生はほとんどいない時代だったようです。イギリスでもそうだったんですね、そのころは。
そういえば、いま70歳の手前くらいの人が、子供のころから動物が大好きで、どうしても獣医さんになりたかったんだけど、女子が獣医になるなんてとんでもない、とお母さんに反対され、泣く泣くあきらめたと何かに書いていたのを読んだことがあります。
今では、女性の獣医さんの方が多いくらいですけどね。医者も弁護士も今は半分は女性です。
ステラ:(キリッ!)ワタシは女子ですが、キャリアを考えています!
マンディ:ワタシは、ボール遊びで生きていきますっ!
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